更新:2022年12月13日
|
ゼネコンは激務と言われていて就職や転職をためらってしまう人も多いはず。
現役で大手ゼネコンに10年以上勤めている現場監督が労働環境の実態を解説できます。
この記事では、ゼネコンの労働環境を詳しく解説します。この記事を読めば、ゼネコンで働くべきか分かります。
ゼネコンは激務ではありますが労働環境は改善し残業が減りつつあります。ゼネコンは年収が高いため離職する人も少ないです。
ゼネコンは公開されている年収よりも高いです。ゼネコンの本当の年収を知りたい方は「現役の大手ゼネコン社員が語る本当の年収」を是非ご一読ください。 |
ゼネコンが激務と言われる理由5選
ゼネコンの現場監督は激務のイメージが強いです。現場監督の職場環境は、3K(きつい・きたない・危険)と言われています。
現場監督には建築現場と土木現場があり職場環境は大きく違いません。
現場 | 職場環境 |
---|---|
建築現場 | 商業施設、事務所、ホテル、マンションなど |
土木現場 | ダム、橋、高速道路など |
ゼネコンが激務と言われる理由は以下の5つ。
|
激務の理由①残業が多いのが日常的
ゼネコンの現場監督は残業が多いのが日常的になっています。打合せや現場のチェックなどを行うため現場で工事をしている明るい時間帯はデスクワークができないことが多いです。
時間帯 | 主な業務内容 |
---|---|
8:00-18:00 | 設計者との打合せ、工事業者間の作業調整、現場のチェック |
18:00-21:00 | 打合せ用の資料作り、見積の作成 |
建設現場は朝8時から朝礼が始まることも激務と言われる原因と言えるでしょう。
激務の理由②休日出勤が当たり前
ゼネコンの現場監督は休日出勤が当たり前なのも激務と言われる原因。建設現場は週6日で工事するのが一般的です。建設現場ではゼネコン社員がいないと工事を進められないため現場監督の出勤は避けられません。
工事の有無 | 曜日 |
---|---|
工事をしている日 | 月曜日~土曜日 |
工事をしていない日 | 日曜日 |
ほかの現場監督との調整で土曜日の出勤は半分くらいになることが多いです。
激務の理由③短工期によるプレッシャーが大きい
ゼネコンの現場監督は工事の短工期によるプレッシャーが大きいことも激務と言われる原因。ダムや橋、商業施設や事務所などの大型の建築物は、納期が数年単位になります。
納期が数年単位であれば調整できそうですが適性な工期を考えると短いことが多いです。短い期間に仕事を詰め込むとゼネコンの現場監督に影響がいき激務となってしまいます。
バブル崩壊後の建設市場が減少しているなかでは、ゼネコンより顧客のほうが立場が強くなりがちです。さらに顧客もなるべく早く建物を使いたいため工期の延長は期待できません。
激務の理由④責任の大きさがストレスになる
ゼネコンの現場監督は責任の大きさがストレスになることも激務と言われる原因。顧客から工事を直接請け負い、工事全体の取りまとめを行うのがゼネコンです。専門工事会社などの協力会社と連携してプロジェクトを進めるリーダー的な役割を担います。
項目 | 内容 |
---|---|
品質 | 建物の品質や安全を確保する |
コスト | 材料費や人件費を管理する |
工期 | 作業のスケジュールを管理する |
安全 | 作業員の安全面を管理する |
環境 | 建設地の周辺環境に基づいた管理する |
激務の理由⑤現場ごとで勤務地が変わる
ゼネコンの現場監督は現場ごとに勤務地が変わることも激務と言われる原因。現場監督は建設地の近くの工事事務所に勤務することが多いです。
建物の規模によって工期は違いますが1年~2年くらいで勤務地が変わることになるでしょう。勤務地が通える範囲なら良いですが、場合によっては引っ越しが必要になる場合があります。
ゼネコンの現場監督は労働環境が独特
ゼネコンの現場監督は、大都市の高層オフィスビルに勤めるような一般的なサラリーマンとは労働環境が違います。
ゼネコンの現場監督の労働環境は以下3つの通りです。
|
労働環境①現場監督は労働時間が長い
ゼネコンの現場監督は労働時間が長いです。昼間は関係者との打ち合わせや現場の進捗や品質をチェックして夕方以降にデスクワークを行います。
現場の繁忙期にもよりますが常に定時で帰れるような労働環境ではありません。
労働環境②現場監督は勤務地が工事事務所
ゼネコンの現場監督は建設現場の近くの工事事務所が勤務地となることが多いです。大都市の高層オフィスビルに勤めているサラリーマンとは違います。
工事事務所 | 内容 |
---|---|
テナントビル | ビルのフロアを借りて、工事期間中の事務所として利用 |
仮設事務所 | 現場作業が始まる時に構え、工事が終わると撤去 |
労働環境③現場監督の離職者は少ない
ゼネコンの現場監督は離職する人が少ないです。大きなプロジェクトに携われることや年収の高さを魅力と感じている人が多いと言われています。
大手ゼネコンだと35歳で年収が1,000万円を超えることが多いです。
≫ゼネコンの年代別の年収
ゼネコンの現場監督は働き方改革で労働環境が改善⁉
ゼネコンは激務というイメージが定着しています。一方で政府主導で進めている「働き方改革」に積極的に取り組んでいるゼネコンが多いです。
働き方改革とは? 働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指します。 |
現場監督の働き方改革の取り組みは以下の通りです。
|
働き方改革①ロボット導入による作業効率化
建設現場にロボットを導入することで作業の効率化を図ります。ロボットが自動で作業を進めてくれれば現場監督の仕事量を減らせることが期待できます。
さらにロボットを遠隔で操作し管理できるようになれば働く場所を問われないで現場監督の仕事ができるのもメリットです。
働き方改革②4週6閉所にチャレンジ
建設現場は日曜日以外は作業を進めるのが一般的です。4週のうち日曜日は4回なので4週4閉所と言われます。
働き方を変えるために建設プロセスにICTを導入することで協力会社を含めた生産性の向上を図っています。
ICTとは? 「Information and Communication Technology:情報通信技術」の略称。調査・設計・施工・維持管理・修繕の建設プロセスにおいて、効率化・高度化による生産性向上に寄与しています。 |
以前では不可能といわれた4週6閉所を試行的に導入している現場が増えています。
働き方改革③Eラーニングを活用した社員教育
ゼネコンの現場監督は幅広い知識や技術力を持って施工管理することが求められます。
建設現場で実際の業務を通じて上司や先輩から指導してもらい、知識や技術を身につけることが多いです。一方で知識や技術力に偏りがないように定期的に社員を集合させ研修を行っています。
Eラーニングによる社員教育は、研修場所への移動がないことに加えて普段の業務のスキマ時間に学べるため効率化が図れます。
ゼネコンは忙しいけどブラック企業ではない
ゼネコンの現場監督は激務というイメージが強いですが離職する人が少ないです。
大きなプロジェクトに携われることや年収の高さを魅力と感じている人が多いと言われています。
|
正直なところサービス残業がゼロではないですが、残業代だけでも月に20万円くらい支給されます。
残業代が支払われないような会社をブラック企業と呼ぶなら大手ゼネコンは全く当てはまらないでしょう。
30代で年収が1000万円を超える会社は限られます。その中でもゼネコンは学歴が高くなくても入りやすい会社です。
■関連記事