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消防設備士の講習は未受講でも大丈夫?期限切れでも免状を返納しなくてもOK!

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更新2022年12月17日

  • 消防設備士の講習を受けなかったらどうなるの?

  • 講習を忘れずに受けられる方法があれば知りたい!

  • 消防設備士の講習を受ける理由があれば教えて?

消防設備士に合格した後は定期的に講習を受ける必要があります。しかし、講習を受け忘れてしまい期限切れになるケースが非常に多いです。

本記事では、消防設備士免状の点数制度と講習を受ける理由を徹底解説します。講習を受けない場合を事例付きで紹介するため、記事を読むことで消防設備士の講習を受けるべきか分かるはずです。

消防設備士の講習は未受講だと違反行為となります。しかし消防設備士免状が期限切れになっても免状を返納する必要はないです。

合格後に1回も講習を受けていなくても免状を返納する必要はありません。

消防設備士試験の難易度は「【初心者必見】消防設備士の難易度ランキング【全類解説・他資格と難易度比較】」で詳しく解説しています。消防設備士全類の難易度を完全解説しているので、消防設備士試験に合格したい方はご一読ください。

 

消防設備士の講習とは

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消防設備士に合格した後は消防法の規定により定期的に講習を受ける義務があります。

消防設備士講習を受ける対象者や頻度は以下の通りです。

  • 講習は消防設備士の全員が対象

  • 免状交付後2年以内に講習を受ける

  • 2回目以降の講習は5年以内に受ける

法定講習や定期講習と呼ばれることもありますが、「講習」と同じものです。どちらも都道府県知事が行う消防用設備などの工事または整備に関する講習となります。

 

講習は消防設備士の全員が対象

講習は試験合格後の消防設備士すべての人が対象です。

消防設備士の講習は業務に従事しているか否かにかかわらず受講することが義務となっています。

 

免状交付後2年以内に講習を受ける

消防設備士の免状交付後は、2年以内に講習を受講しなくてはいけません。

正しくは免状の交付を受けたあとの最初の4月1日から2年以内となっています。

例:2021年6月15日に免状の交付を受けたら2022年4月1日から2年後となる2024年3月までに講習を受ける

 

2回目以降の講習は5年以内に受ける

2回目以降は5年以内に講習を受けます。

正しくは講習を受けたあとの最初の4月1日から5年以内です。

例:2021年6月15日に講習を受けたら2022年4月1日から5年後となる2027年3月までに講習を受ける

講習を受けるタイミング
回数 タイミング
初回 2年以内
2回目以降 5年以内

講習は初回だけ2年以内となります。

 

消防設備士の講習は未受講でも大丈夫⁉【点数制度】

消防設備士の講習は受けないだけでは状の失効とはなりません消防設備士には点数制度があり基準に満たない減点であれば免状の失効とはならないからです。

ただし、免状の失効とはなりませんが、消防設備士の講習を受けないことは義務違反となるので注意しましょう。

消防設備士の点数制度のポイントは以下3つです。

  • 点数制度は3年間で減点が20点を超えると失効

  • 講習の未受講は減点対象【1年間で5点】

  • 講習をずっと受け忘れても減点は15点【事例紹介】

 

点数制度は3年間で減点が20点を超えると失効

消防設備士の免状を持っている人は、点数制度の管理対象です。消防設備士の点数制度は自動車の運転免許証と同じように減点法が採用されています。

消防設備士の点数は全員に20点が与えられ3年間の減点が20点を超えなければ免除の失効とはなりません。

≫参照:消防設備士免状の返納命令に関する運用について(通知)

3年間で20点を超える減点がなければOK!

 

講習の未受講は減点対象【1年間で5点】

消防設備士の運用基準には、講習の未受講だと減点は5点となっています。

消防設備士講習の未受講は以下の義務違反に該当します。
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さらに消防設備士講習の義務違反には以下の補足が書かれています。

消防設備士講習受講義務違反については、講習の受講期限までに受講しない場合 に、それぞれ当該期限が経過したとき違反行為があったものとする。また、その後 1 年 以内に受講する機会があるにもかかわらず受講しなかった場合は、1 年を経過したとき 再度違反行為があったものとし、それ以降においてなお受講しない場合も同様とする。

講習の受講期限を超過したときは、毎年5点が減点されるということです。

消防設備士の得点制度は3年間の合計が減点の対象となります。

減点の合計:減点5点×3年分=減点15点

そのため減点が20点に達しないので消防設備士免状の返納義務は生じません。

 

講習を受け忘れた時の事例

消防設備士免状の交付を受けた後に最初の講習を受けた人が、それ以降ずっと講習を受けなかった事例です。

講習を受け忘れた時の事例
年目 状況 補足 減点 減点の合計
0年目 消防設備士に合格 免状の交付を受けた 0点 0点
1年目 免状交付後1年目 免状を取得した最初の4月1日からカウント 0点 0点
2年目 講習を受けた 4月1日~翌年3月31日に受講 0点 0点
3年目 講習後1年目 次の講習は3年目の4月1日からカウント 0点 0点
4年目 講習後2年目 0点 0点
5年目 講習後3年目 0点 0点
6年目 講習後4年目 0点 0点
7年目 講習後5年目 本来は受講するべき講習を受け忘れた 5点 5点
8年目 講習後6年目 講習をさらに受け忘れて再度の義務違反 5点 5点
9年目 講習後7年目 講習をさらに受け忘れて再度の義務違反 5点 10点
10年目 講習後8年目 点数制度は3年間の合格のため点数変わらない 5点 15点
11年目 講習後9年目 11年目以降は10年目と同じ状況が続く 5点 15点

消防設備士講習を受講しないだけでは消防設備士免状の返納とはなりません。

 

消防設備士講習の概要

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消防設備士講習の概要は以下4つです。

  • 講習の時間は9時~17時

  • 講習は2科目+効果測定

  • 講習の4区分【甲乙で区別なし】

  • 講習の手数料は1区分で7,000円

  • 講習はどの都道府県でも受講できる

 

講習の受講時間は9時~17時

消防設備士講習の受講時間は9時から17時までかかるのが一般的です。科目免除を申請した人の講習時間は13時から17時までとなります。

講習の開始時間に遅れないように時間に余裕を持って会場まで行きましょう。

講習の受講時間
科目免除 受講時間 開場・受付時間
なし 9時〜17時 8時30分
あり 13時〜17時 12時45分

≫講習の科目免除をチェックする

 

講習は科目等は3種類【効果測定あり】

消防設備士講習の科目等は全国の都道府県共通で以下の通り定められています。

  • 工事整備対象設備関連法令及び防火に関する他法令等に関する事項

  • 工事整備対象設備等の工事又は整備等に関する事項

  • 効果測定

効果測定は講習の内容をきちんと理解しているか確認するために行われます。講習の話を聞いてさえすれば効果測定に不合格になることはないので安心してください。

 

講習の4区分【甲乙で区別なし】

消防設備士は消防設備ごとに免状が分類されています。扱える消防設備が違うため、消防設備に合わせて講習を4つに区分しています。甲種と乙種は区別なく同じ講習区分です。

消防設備士講習の区分
講習区分 免状の種類
甲種・乙種 種類
特殊消防用設備等 甲種 特類
消火設備 甲種・乙種 1類・2類・3類
警報設備 甲種・乙種 4類・7類
避難設備・消火器 甲種・乙種 5類・6類

 

条件が合えば講習科目の一部免除が可能

講習を受けた日の翌日から計算して6ヵ月以内にほかの区分の講習を受けた場合は、希望により一部科目の免除が受けられます。ほかの都道府県で受けた講習においても講習科目の一部免除の対象です。

免除対象の例:2023年6月15日に講習を受けたとすると2023年12月16日までの講習が講習科目の免除対象

 

講習の手数料は1区分で7,000円

消防設備士講習の受験手数料は全国の都道府県共通で1区分7,000円(非課税)です。

講習の手数料
区分 手数料
1区分 7,000円
2区分 14,000円
3区分 21,000円
4区分 28,000円

受験手数料は都道府県収入証紙を申請書の所定の位置に貼り付けることで支払います。手数料は講習を受講する都道府県収入証紙となり収入印紙ではないので注意しましょう。

 

講習はどの都道府県でも受講できる

消防設備士の講習は都道府県のどこでも受講できます仮に消防設備士免状の交付を受けた都道府県と違う場所で講習を受けても問題ありません。

代表的な講習の場所は以下の通りです。

 

定期講習を受け忘れない方法

消防設備士講習は、きちんと手続きさえすれば「案内はがき」が届き通知されます。消防設備士の関係者にとっても講習を受け忘れずに受けてもらいたいからです。

案内はがきの種類は、”初回”と”2回目以降”で通知方法が異なります。

受け忘れがないように確実に講習を受講したい人は手続きを行いましょう。

 

初回の講習は案内はがきで通知される

消防設備士免状の交付を受けたあとの初回の講習は、試験を申し込んだ消防試験研究センターから案内はがきで通知されます。免状を交付された対象者のみに案内されるため、特に手続きすることなく案内はがきが届くので安心してください。

 

2回目以降の講習

2回目以降の講習は、前回の講習を申請する際に、次回の講習の案内はがきを自分が記入することになります。講習の受け忘れがないように、あなた自身があなた宛てに案内するイメージです。

具体的には、講習を受ける申請を行う際に、「今回の受講票」と「次回講習の案内はがき」が2連になった用紙に必要事項を記入することになります。

今回の受講票は、後日送られてくるので講習日に忘れずに持っていきます。次回講習の案内はがきは、5年後に記入した住所宛てに届きます。

引っ越した場合など住所変更しているときは、案内はがきによる通知がないので注意しましょう。

 

消防設備士の講習を受けるべき理由3選

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仕事の業務が忙しくて講習を受講する時間がない方向けです。

消防設備士講習を受けなくてはいけない理由は以下の通り。

  • 消防設備士の講習に行かないのは違反行為

  • 業務上の減点で一発で免状の返納になる⁉

  • 消防設備の最新情報が入手できる

 

消防設備士の講習に行かないのは違反行為

消防設備士の交付を受けたからには講習を受講しなくてはいけません。消防法によって講習を受けることが義務になっています。

講習を受講しないのは違反行為になるので注意しましょう。

 

業務上の減点で一発で免状の返納になる⁉

消防設備士講習をずっと受け忘れている状態で、業務上で違反し減点になると一発で免状を返納しなければならない可能性があります。

消防設備士の免状を交付されると点数制度で管理されます。減点対象の違反を行うと、最初の持ち点である20点から減点され、0点になると消防設備士免状を返納しなくてはいけません。

仕事の業務上で5点以上の違反行為を行うと一発で免状を返納することになります。

減点が5点以上の違反例
内容 減点
資格外の点検又は無資格者を利用しての点検の実施 減点6点
保有する消防設備士免状の対応業務以外の業務実施 減点8点
誠実業務実施義務違反(消防用設備などの機能、効用が著しく損なわれる場合) 減点8点
検定表示のない検定対象機械器具などの工事への使用禁止違反 減点7点
自主表示のない自主表示対象機械器具などの工事への使用禁止違反 減点7点
人身事故(程度による) 減点6点~20点

業務で使用する人は死活問題になるので注意しましょう。

 

消防設備の最新情報が入手できる

消防設備士講習では、消防関連の最近の動向や改訂された法律について丁寧に説明してくれます。消防設備に関する業務に従事している人は、仕事にも生かせる内容が多いので積極的に受講したほうが良いです。

仮に消防設備と関係がない業務をしていたとしても、役に立つ内容が多いので受講の義務に関係なくメリットがあります。

業務が忙しい中で1日かけて講習を受けることになるので、できるだけ多くの情報を得て業務に生かしましょう。

 

ペーパー消防設備士は講習を受け忘れても問題ない

消防設備士講習を受け忘れに関するポイントは以下の3つです。

  • 消防設備士の講習は、免状の交付を受けている人は受講の義務あり

  • しかし講習を受けないだけでは免状の返納義務にはならない

  • 業務上で使用する人は忘れずに講習を受けましょう

消防設備士の免状を使った業務に従事していないようなペーパー消防設備士は免状の返納にはなりません。

合格後に1回も講習を受けていなくても免状を返納する必要はありません。

これから消防設備士を受験する人向け

消防設備士試験の難易度は「【初心者必見】消防設備士の難易度ランキング【全類解説・他資格と難易度比較】」で詳しく解説しています。消防設備士全類の難易度を完全解説しているので、消防設備士試験に合格したい方はご一読ください。

 

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